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[コメント] キングコングの逆襲(1967/日)

豪華キャスト、怪獣多数、手抜きを排除した多くのミニチュア、こんな贅沢な映画に連れて行ってくれた亡き親父に感謝!
アルシュ

観たのはチャンピオン祭りではなく小学校1・2年の頃で、鑑賞はそれ以来になる。それでも、天本英世氏のマッドサイエンストぶり(正に天職ですな)はきっちり覚えている。そして、キングコングの優しさ(と言うよりオンナたらし度)も、メカニコングのカッコよさも記憶にある。

今見ると、凄いぞこのキャスト! 浜美枝なんて、世界の美女に引けをとらない絶頂の美しさの頃だったし、リンダ・ミラーも理想的外人美女。当時、ハヤタ隊員役の黒部進さんなんて、セリフのない悪役なんて贅沢な使われ方もしている。

それより何よりこの映画、何と言ってもミニチュアセットに渾身の力が入っている。

雪の質感抜群の北極、岩と植生・浜辺のつくりがリアルな南海のモンド島、コングが縦断する村、東京ではメカニコングに壊されるトヨタのビル、芝増上寺と周辺の街並み、東京湾景、Dr.フー座乗船・・・手抜きを感じさせない作りのミニチュアがこれでもかと登場する。

中でもクライマックスに登場する東京タワーが凄い。撮影の安全性などの都合上、分断して作っただろうこの東京タワーは、キングコングが20mだという設定から考えると、スケール比で合計で40mに近い高さになる。通常、怪獣だと40〜50mなので、設定を小さくする分ミニチュアは大きめに作らねばならないところだが、何するものぞという製作陣の心意気が感じられる。

しかしながらこの映画大きな過ちがある。懸命にエレメントXを採掘しているけど、北極には大地が無いのですよ。「北極圏」と言うことでシベリア辺りだと思えばいいのでしょうか? でも、こんな事を差し引いても余りあるキングコングのような「漢気」のある映画なんですよ。

(評価:★4)

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このコメントを気に入った人達 (3 人)甘崎庵[*] 荒馬大介[*] kiona[*]

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