[コメント] サディスティック&マゾヒスティック(2001/日)
助監督時代の中田秀夫が三度、殺してやりたいと思ったという小沼勝の常軌を逸した精神性はついにカタチを結ばず、戦友のように若き日の闘いを語る森勝や結城良熙、学生時代の悪友のようにはしゃぐ小沼と小原宏裕の好々爺ぶりが微笑ましい。
『箱の中の女 処女いけにえ』の主演女優木築沙絵子が、まるで周りの世界に怯える不安そうなカメのようだったと評した小沼勝が、脚本家の荒井晴彦が言うところの典型的アルチザンとして、15年ぶりにのぞむ新作『NAGISA なぎさ』の撮影現場で、『生贄夫人』で怪演した坂本長利が30年近く前に見たという、狼が襲いかかる寸前の気迫が飽和点に達した「青い目」を、“常軌を逸した”ような集中力で、小学生の主演女優松田まどかに向けているさまが撮れていたことが、このドキュメンタリーの最大の収穫だろう。
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