[コメント] 未来少年コナン(1979/日)
TVアニメを観た後に原作本を読んだのだが、余りの内容の薄さにビックリした。これは、原作云々ではなく、もう完全なオリジナル、それも偉大な創造力の産物と言うより他にない。改めて宮崎駿に脱帽である。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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アレクサンダー・ケイの原作『残された人びと』は、ハリーポッターの様な児童文学で、こんなに長い話ではない。うろ覚えだが、ダイスもモンスリーも、もしかしたら、ジムシーも出てこなかった気がする。ページ数も大したことはなく、大人なら、1時間もあれば読み終わってしまう代物である。
しかも、本作の様な明るさは原作本にはなく、世界戦争後に生き残った人々を支配しようとする人とそれを防ごうとするラオ博士やコナンの苦闘を描いたひたすら暗い話だった。おそらく、原作者も、あの話がこのアニメになったというのを知ったら、凄く驚くのではないだろうか?
そんな話を元に、キャラクターを作り直し、設定を変え、ここまで壮大なストーリーに膨らましたというのは本当に凄い偉業だ。他の方も述べられている様に、確かに映画版は、TV版26作より薄っぺらだし、感動も小さい。しかし、それでも、メインテーマである行き過ぎた科学技術への警鐘と平和への願い、それから、友情、団結、勇気、親愛、そして愛・・・ 物語にこめられたメッセージは強く残っている。それから、この作品には、後年の宮崎作品のあらゆるテイストが含まれている気がする。
個人的には、誰が何と言おうと、これが宮崎駿の最高傑作だ。
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