[コメント] オー・ブラザー!(2000/米)
信仰の映画。皮肉もほどほどにきいている。自分が、大恐慌期南部アメリカの背景をもっと知っていたら…。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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話の突拍子もなさという点では、『赤ちゃん泥棒』のほうがより凄かった。芝居が大げさという噂をよく聞いたが、それほど気にはならなかった。
目の不自由な人、小男などが出てくるのは、この映画の主題と思われる、アメリカ南部的な信仰ということと深い関係があるのだと思う。南部が南部らしさを保っていた最後の時期を映し出しているのだろう。銀行家や改革派の知事候補(だが実は彼の正体は、あの団体の棟梁だったというのは、最高の皮肉だと思う。)など大量生産、大量消費といった資本主義の影がちらつくなかで、今では古臭い音楽にしか聞こえないカントリーソングも、現実のつらい生活をメロディーと詩をもって、生き生きとした表現に昇華するツールであり、生活者の中には信仰心が深く根付いていた。そのような時代背景があったからこそ、大げさな表現も一つの「神話」「巡礼の寓話」として捉えると、結構しっくりいった。南部の専門家でないので、時代考証で甘いところがあるかどうかはわからなかったが、いい映画だったんじゃあないでしょうか。
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