[コメント] 天空の城ラピュタ(1986/日)
宮崎駿が、エンターテイメントの中に自らの語るべきことを秘めていられた時代の秀作。
少年に勇気があり、少女に健気さがあり、老婆に経験と若い者にそれを引き継ぐ強い意志があり、そこには微塵も押し付けがましさは存在せず、ただひとときの夢に遊べる解放感があった。
現在の宮崎にとって、それは青臭い時代の唾棄すべき作劇法であるのかもしれない。だが小生は、この健全かつ説教に堕していない時代の宮崎作品を限りなく愛する。それが現代の「ものの判らない」とされる少年少女にだって確実に通じる有効な啓蒙だと感じるからだ。啓蒙は説教ではない。楽しみのなかからでも夢は学べるのである。時代の審判を待つまでもなく、答えはすでに出ているのだ。
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