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[コメント] GO(2001/日)

誰もが考える「自分って?」物語。大人になる前に通っておきたい道。(以下私事の長文で失礼します。ネタバレ有り有り)
Myurakz

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







僕は小さい頃から色が白くて髪が茶色い、日本人離れした子供でした(顔立ちはベタベタ日本人です。決して西欧風のいい男だということではなくてね。誤解の無いよう)。小学校に上がった時は、その風貌のせいで他の子達から「外人だ外人だ」と虐められ、よく泣きながら帰っていました。子供なんて単純なもので、互いを知り合う内に自然とそんなことを言う者もいなくなっていくのですが、その頃から漠然とこんなことを考えるようになりました。

「僕は「外人」じゃない。だけど「外人」だとしたらそれの何が悪いんだろう。大体僕は何で「日本人」なんだろう」

中学・高校と進むにつれ、その思いはより具体的になっていきました。

「僕は日本人であることを選んだ覚えはない。だけど今住んでいるこの場所は好きだ。じゃあやっぱり僕は日本人であることを選んだことになるのか?」

振り返ってみれば思春期にありがちなモラトリアムな考えだったようにも思います。ただ結果として、僕は自分のアイデンティティを国籍に求めるようなことはしない人間にはなりました。あえて地域に求めるなら、それはごく狭い範囲、「3丁目」ぐらいです。 「俺は何だ?」。この台詞を聞いて僕が感じたのは、何よりもこの時期の不安定な感覚でした。

この映画は皆さんが書かれているように「青春映画」だと思います。在日問題に切り込みつつも、一人の少年が自らの存在を確かめるために格闘していく話から決して逸脱しない。国籍なんてひと一人の人生に比べたら、何の意味もないから。だからこそ差別問題に触れた事のある人にもない人にも、強く訴えかける力を持っているんだと思います。自分の目と手で確かめたもの、その上に本当の自分を作り上げていかなくちゃいけないんだ、って。

以下はだらだらと・・・

原作未読なんで、原作が良いのか脚本が良いのかわからないんですが、ホントによくできてますよね。一つ一つのエピソードに無駄が無い。自分の一番大事な人の差別的な面を見せられた夜、国家権力の象徴が自分を理解してくれる、なんて素晴らしくややこしい問題提起だと感じました。萩原聖人美味しいなぁ。 少年が乗り越えなければならない一番の壁「父」が最後まで強く優しいのも好きです。まだ答えを探している小僧にそう簡単に乗り越えられちゃいかんよね。 そしてラスト。ベタなハッピーエンドですが、「クエスチョン」な自分をそのまま受け入れてくれる人がいるっていう喜びは、根深い問題の中の一時の休息として、これで良かったんじゃないかなと思います。彼の戦いはこれからなんだしね。 これだけの話をテンポ良く魅せてくれた監督にも拍手。久々に観終わった後ビリビリくる1本でした。

(評価:★5)

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このコメントを気に入った人達 (9 人)ありたかずひろ 熱いぜドモン[*] トシ[*] Linus[*] torinoshield[*] ミッチェル sawa:38[*] ぱーこ[*] ぽんしゅう[*]

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