[コメント] 恋は負けない(2000/米)
映画を見終った人むけのレビューです。
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というのも、この手の映画って必ずあるんです。観客がイライラするシーン。「主人公が間抜けなことをやって相手を怒らせる」だとか「自分の気持ちの裏返しの怒りをぶつけて後悔する」だとかね。「悪役の仕業で二人が険悪になる」なんてのもあるか。それがこの作品にはホントに少ない。実は上に挙げたシーンに近いものも見受けられるんだけど、そこをイライラするまでには膨らませていないんです。
例えば前半、evergreenのライブの下り。イライラパターンだと、あそこですっぽかすのはポールの方なんです。自分のヘマで時間を食い、時計見ながら焦りつつ遅刻。書いてるだけでイライラするよ。それが今作では来られないのは不測の事態のドーラ。しかもそれが切っ掛けで急接近。スッキリこの上なし。
教授との恋愛発覚の辺りだって、もっと大騒ぎにできたはず、イライラさせられたはず。ドーラが「あなたを信頼したから打ち明けたのよ!」ぐらいにね。
それでいて主人公2人の魅力的な面は、充分時間をかけて表現しています。これこそ監督の「気持ちいい青春映画を作ろう」っていうプライドの現れかなと思うんです。だからこそ観客にも優しいんです。恋愛なんてそれだけでドラマチックなんだから、わざわざイライラさせずとも良い作品は作れるんだね。
また、ビデオやミュージカル、公園のフリーのコーヒーなど、NYの街の息吹がそこここで描き出されているのも、雰囲気があって楽しかったです。
ただし、問題解決に至る流れの中、説明が不充分であった部分が少々あった気がします。そこがちょっとマイナス。
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