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[コメント] ロードキラー(2001/米)

激突』云々の次元ではないから引き合いにするのは…。逃避行サイコスリラーという異質なジャンルを極めた作品だと堂々と言える。四種類ものエンディングが存在するという事実。かなり試行錯誤されて作られた揺ぎ無い証拠では。
ナッシュ13

**ネタバレ注意**
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殆どが主演3人による逃避行が主体となっている。キャスティングはベストに近いだろう。脇役としては損をさせないスティーブ・ザーンの色濃い演技には唸ってしまう。元々、問題児の役柄が多く、やはりこの作品でも一筋縄ではいかない兄貴を演じていた。少し気が弱く、犯罪歴があるとは思えない親身なところがこれまたイイ。弟のルイスを演じたポール・ウォーカーは初体験だったが、兄貴想いでいて、やるときゃやる(笑)役柄を上手に演じていたと思う。リーリー・ソビエスキーは若手女優にしては名の知られる人。やはり演技が評価されているからであって、将来を期待されているのだろうと思う。この映画におけるリーリーは観ての通り。彼女が居なかったらどうなっていたことか…(笑

脚本の着眼点が好き。単に、1台のトレーラーに追われるという要点に拘らないのがイイ。些細な悪ふざけがあの心臓ドキドキ逃避行に変化し、ラスティ・ネイルの必要以上にサイコな言動の繰り返しには驚きを隠せなかった。アホな話、フラー兄貴の行動が全ての発端なわけだけど、どうも憎めないのだよ…。例えば、アホな友達とつるんでいた高校時代(今もだけど笑)。彼らと一緒にバカなことするのって、ハッキリ言って滅茶苦茶楽しいからね(^^;同様の気分を感じた映画でした…。

最後の最後まで本当の狙いどころを抽象的にしているのも面白いアイデアだと思う。そういった意味で、あの複数存在するエンディングに熱い心意気が感じられるのだ!本編では、ラストでトリックを用いたラスティ・ネイルによって謎を残すという形になった。VHS版の特典映像では、本編のラスト前がそのまま繋がるというプロットでないらしい。本編のプロットと少しだけ物語が前後する。すなわち、本当に試行錯誤した挙句の本編だったんだな…と感心してしまった。DVDでは、また違ったエンディングが拝められるらしい。これは観なければ損。

ちなみに、『激突!』を引き合いにするのは…と書いたけども、決してオマージュしていないわけではない。のっけからルイスが70年代のビンテージ車を購入すること自体、連想させるなっつーのは無理な話だろうし(笑)。この作品が「激突」に引けをとらない、裏切りさせない作品だからこそ「別次元」だと言いたい。

(評価:★4)

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