[コメント] リリイ・シュシュのすべて(2001/日)
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怖い。かなり怖いです。ある日突然仲の良かった友達に壮絶なイジメを受け始める。 怖いです。 見る前は「岩井俊二の新作」と言う感じで観に行ったけどこの映画のすごさに圧倒されつづけた2時間半でした。 すばらしい傑作の作品です。 2時間半落ち着けずに見ていました。すごい衝撃で僕を圧倒してスクリーンに写る「リアル」と言われると「違うだろ、これはリアルといえないだろ」といいたくなるほどの壮絶なイジメや主人公達の日常に圧倒され、スクリーンにクギ付け。 見ていて映画館の椅子に押し付けられる感じがしました。とにかくスゴイ力の映画でした。 観終わった後も衝撃ですぐには立ち上がれずやっと立ち上がっても足元はふらついてました。 この映画で「汚い」のレベルを越した、それ以上のイジメをスクリーンで生々しく見せ付けられ、自分でなくて良かったと思ってしまう。そしてそのイジメと全く異なった美しい背景と音楽。 なぜかミスマッチにも思えるその壮絶で惨酷なシーンと美しい音楽と映像が妙にマッチしている。 これはなぜだろう。しかしこれが岩井俊二の力なのだろう。 目を背けたくてもそむけることが出来ない。 そして映画の流もよかったと思う。 2時間半があっというまに終わり。しかしあっという間と言ってもマイケル・ベイなのどの演出するスペクタクル感ある映像もなにもないのにあっという間に終わってしまう。 そして惨酷すぎる結末を迎える女の子、レイプされてそのショックのあまり丸坊主にする女の子、冒頭で裸で田んぼの中を泳がされた少年、他にも色々いますが、すべて僕に衝撃を与え、「もう辞めてくれ」といいたくなるのに次々と惨酷なイジメは続く。それも果てしなく。 もう言葉は「怖い」とか「惨酷なリアル」しか出ません。 私は「これが大人から見た14歳のリアルなのか」と思いました。 たしかに多少の誤差はあるかもしれないけど結構上手く描いている「リアル」だと思う。 ついでに「リリイ」の歌声は本当に良いと思いました。
二箇所だけ、切なくなったシーンがありました。 それは星野が一人で田園で「リリイ」の歌を聴いて叫んでるシーンと主人公が好きな女の子を倉庫に連れて行くシーンです。 あれはかなり心を揺さぶられました。
そして急に仲の良かった友達にいじめられ始める。 怖い、怖い、怖い。もしかしたら僕のこれからの学校生活(僕はこれから高校生活があるが、これから残りの4ヶ月の中三の生活)にあるかもしれない「リアル」、だからこそ僕には怖かったんです。 おそらく大人と子供がこの映画を見たら大分意見が違ってくると思います。
そして最後についに切れてナイフで刺してしまう主人公。 自分をいじめていたムカツク存在(ネット上では親友以上の存在だが)をさして殺してしまう主人公。 そして人を傷つけたことによって自分までも傷つけてしまった主人公のこれからが凄く気になります。
この映画を沢山の中学生に見て欲しいなと思います。この映画は日本映画の傑作だと思います。 窮屈な世界、学校に行ってもいじめられる。家にいても電話などで呼び出し。自分の居場所はない。あるとしても「リリイ」の歌声を聴いてる時だけ。 自分はそうではないが、そんな中学生もいると思う。 やはりこれは「リアル」なのだろう。 恐ろしく壮絶で怖くそして暗くて惨酷な「リアル」
この映画は僕は「リアル」だとは思わないと思い込んでも「リアル」に見えないのに「リアル」に思えてしまう。なぜだろう、この世界は「リアル」な「虚の世界」自分の居場所はない思春期。14歳。なにか言いたいのに言葉に出来ない。二度続けて見たくない作品。 おそらく二度目を見るときは吐くだろう。それだけの衝撃作なのだ。かなりのおすすめ。傑作です。絶対みるべし!
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