[コメント] 仮面ライダーアギト PROJECT G4(2001/日)
sawa38さんの指摘は、恐らく大いに正しいのだろう。この映画だけではわからない細かなエピソードが多すぎる。にしても、これを「映画」として観ても充分に楽しいのはこの自分が保証する。 自分は当初、「仮面ライダーアギト」というTV作品のあまりいい視聴者ではなかった。仮面ライダーが3人もいるということ。これは作品の混乱を産みこそすれ、大きな物語の幹を作っていくことに役立ってくれるのかどうか…。事実TVでは当初、そのへんが消化不良だったようにやつがれは感じた。だが、作品は大きなうねりを生じ、いつしか友情や3人のしのぎを削る物語として「ライダー」史上に見ない結実を「アギト」は見ることになる。 この作品はそのエッセンスだ。G3を凌駕する非人間的システム「G4」というのは、たしかにTVを観ていなければ理解できないファクターだろう。だが、ゾンビの如き蟻アンノウン軍団に立ち向かう青年たちの戦い、上に立つ女たちの思惑、静かに側より支える少女たちのいとおしさは、この作品ひとつだけをとってみても充分感じ取ることができる。 細かなアギトのマイナー変身、彼のその後を予感させるイメージ映像などは確かにTV視聴者だけのための占有物だ。だが、アクションに酔い、めくるめく戦闘画面に歓喜の雄叫びをあげることは、決してこの映画から観始めた観客にも許されていない快楽ではないだろう。よもやそんな人もいないだろうが、これを「アギト」を観始めるプロローグとする人(子供ならずとも)もいてもきっといいであろう作品。この作品はそれだけの価値がある。
「映画として充分独立し得るProject G4」というのを証明しようとして見事に論理が轟沈してしまったが、少なくとも遅れてきたアギトファンにも充分面白い映画であったことを、この欄を借りて記しておく。
(評価:
)投票
このコメントを気に入った人達 (2 人) | [*] |
コメンテータ(コメントを公開している登録ユーザ)は他の人のコメントに投票ができます。なお、自分のものには投票できません。