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[コメント] ギリーは首ったけ(2001/米)

どう観てもジョーの母親は悪い奴なのにラストで全く罪を問われないのは正直不愉快な思いがした。
わっこ

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

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地味でさえない青年の恋の奔走を描いたラブコメディ。

ファレリー兄弟が製作ということもあり、下ネタベースのどぎついギャグシーンは要所要所でそこそこ笑える。

ただ、ストーリーそのものがいいかげん過ぎる。前半でこれまで女性と一度も付き合ったことのなかった主人公ギリーがヒロインのジョーの働く美容院で、初対面のジョーといきなり交際することになり、半年後まで何の障害もなくトントン拍子に婚約までこぎつける。そして婚約しようとした矢先にギリーが前から探偵に頼んでいた母親探索の依頼で、実はギリーの母親がジョーの母親だったことがわかるというストーリー展開はコメディ映画であることを考慮しても偶然性と御都合主義性が強すぎ。

しかも、悪いのは生活ために子供を養子に出したジョーの母親なのに、なぜかギリーが街の人たちから嫌われるのは理不尽な展開。また、後から本当のジョーの弟が現れ、ギリーはジョーの両親に厄介払いされるのだが、ジョーの両親が勝手にギリーを弟と勘違いしたのに自分のことを棚にあげておいてギリーが除け者にしているのも解せない。しかも、ジョーの母親は金目的でジョーをジャックと結婚させるために、ギリーをわざと指名手配犯にしてジョーに近づかせないようにし、ジョーにもギリーと会わせないように嘘をついている。どう観てもジョーの母親は悪い奴なのに、ラストでジョーの母親が犯した罪が全く問題に問われないのは正直不愉快な思いがした。ラストの結婚式で一緒に参列しているのも最悪。

登場人物のキャラ設定がつかみにくいのも難点。そもそものっけからジョーがギリーと付き合おうと思った根拠の説明がないし、ジョーがギリーとの間に宿した子供もおろしたのだろうが、これについても全く説明がない。また、ギリーがヒッチハイクで拾ったディグもギリーを助けるとか言っておきながら、途中でドジをやらかして、ほとんど活躍しないのも気になる。ジョー父親にしても最後にはジョーにギリーをとるのかジャックをとるのかの選択を迫っているが、それまでジョーのことを気にもとめる様子もなくただ傍観者でいたのに、終盤で重要な役割を任せるのはいくらなんでも強引過ぎる。ギリーも最初から最後までやられっぱなしなので爽快感が感じられない。

役者に関してはギリー役クリス・クラインはドジな青年役を無難にこなしているが、キャラに魅力があまり感じられなかった。ジョー役ヘザー・グラハムもかわいくヒロインとしては文句ないが、ほとんどストーリーに絡んでこないので印象は薄い。サリー・フィールドはここ最近、私欲のために悪事を働くキャラが続き、確かに演技ははまっているが、今後の出演作品に影響しないかちょっと心配。

(評価:★2)

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このコメントを気に入った人達 (1 人)TOMIMORI[*]

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