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[コメント] 愛のエチュード(2000/英=仏)

作りも荒っぽいし、かなり煮え切らない映画。
くたー

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







チェスにとりつかれた男の映画にしては緊張感が足りなさ過ぎる。それだったらまず、盤上の駒の動きをもっと写して欲しい。駒の動きを追っていくにつれ、緊張感がジワジワと高まっていくっていうのが、このテの映画の鉄則だと思う。どーでもいいようなダラダラしたホレたハレたの空気の中では、到底ストイックな緊張感なんて生まれてこない。それから駒のデザインってのは、チェスでは外せない魅力のひとつだと思うので、その点でもかなり不満が残る。

人物の描き込み方もかなり不満。といえばいいのか、無理やり作り込まれたキャラって印象が強い。話の展開もこじ付け度高し。以下特に気になった点。

・チェス一本やりのクセして、どこで覚えたその踊り?

・好きな女と寝たことで勝負の集中力が増すってのが、何だか不自然。そんな前向きなキャラには到底思えないし、脱童貞だったら上の空になって然るべき。好きな女に見つめられるくらいで気が散るなんて言ってるくらいなんだし。

・あの悪役っぽいオヤジのこだわりも意味不明。どうしてそこまであの男に固執するのか?その偏執振りが皆目わからん・・・。

・最後に試合をするヒロイン。いっくらメモが残っているからって、全然チェスに接したことないクセして、あの貴族の男にににわか仕立てで教えてもらった知識だけで、そんな簡単に太刀打ち出来るとは思えない。

他にも突っ込みどころに困らないくらいだが、とにかく作られた感が何ともイヤラしい。特に精神を病んでいく主人公。そういう設定を使うからには、細心の心配りを見せないとダメだよぉ。

でも一番ヒドいのは邦題。愛の〜ってなに??愛のおかげで生まれた手筋じゃないじゃん。意味もなく雰囲気で’愛’ってもってくるとこが何よりキライだ。

(評価:★2)

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このコメントを気に入った人達 (2 人)ジェリー[*] tredair

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