観る者に救済的安堵感を与えないラストシーンがホラーの王道であるならば、この終わり方もしょうがないのだろう。（『リング』もそうだったし） 黒木瞳の存在感は圧倒的であり、彼女以外の配役が思いつかない（他の女優さんをあまり知らない事もあるが）。やや腺病質的「母親」像にピッタリはまっていると感じた。 「みっちゃん」の顔をぼやかして見せたのは秀逸。 お話での不満は多々あるが、物語の終わり方として重要な事が伝わらなかった事が大きい。「郁子」ちゃんが昔のビルで母親と対面したとき、ずっと守っていてくれたという事を何でわかったのか？私には分らなかった。 途中から『ポルターガイスト』的終わり方を予感したのだが、あっさり肩すかしであった。 個人的には、「みっちゃん」の死体を貯水槽で発見する怖いシーンを追加し、供養する事で終わりというハッピーエンドが好ましかった。

子供と親の人生にとって夫婦円満、家族の団らんが如何に重要で有り難いものか、 再考、再認識させてくれた事は良かったのかも知れない。