[コメント] 仄暗い水の底から(2001/日)
映画を見終った人むけのレビューです。
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餓鬼の怨念が勝ちを収める母子メロドラマ。
タタリを鎮めるには生け贄が必要とはいえ、見込まれてしまったやつは災難だ。「何でわたしに祟るのよ!」と言ってみても仕方はない、似通っていたから見えてしまった、見えてしまったから触ってしまった、触ってしまったから祟られてしまったのだ。災難だ。避けようがないから「災難」なのだ。まさに「触らぬカミにタタリなし」。でも触らないことも出来なかったのだ。
「私がママよ」のひとことは、たとえ直接の関係などなかったとしても荒ぶる魂を鎮めるためには是非とも言ってやらねばならないひとこと。「魂」が苦しんでいるとすれば、そいつは何の足掛かりも手掛かりもない暗闇でもがいているのだから、それを救うには徹底的に拒絶して殺してしまうか、あるいは覚悟を決めて徹底的に受け容れてやるか、どちらかしかない。
絶え間なく水が落ちてくる映画。小さな体に圧し掛かるように落ちてくる雨、女の体を穿ち侵すように滴る露雫。たとえ束の間晴れあがっても、そこにはまるで夕立の後のようなジメっとした湿度が拭い切れずに残っている。そんな中で時に小児の様な表情と声音で「不安」を垣間見せる黒木瞳にプチ主演女優賞。幼稚園児の郁子(菅野莉央)にがんばったで賞。
10年後の郁子役の子は顔が個性的だなと思ったら「ミス東京ウォーカー」だって。諏訪太郎の出版社でほんのちょい役で顔見せてる子が妙に可愛いなと思ったら「ミス台北ウォーカー」。道理…。
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