[コメント] Dr.Tと女たち(2000/独=米)
今後アルトマンがどんな映画を撮ったとしても好きでいられることをこの映画を観て確信しました。
実際アルトマンの映画というだけでハリウッドから追放されるも決して媚びることなくハリウッドをけちょんけちょんにこき下ろし痛快に復活した事やブコワスキーを彷佛とさせる容姿など作品以外の要素ですでに好意的な視線にさせられてるのは事実。
しかしただそれを差し引いても何か他の映画では味わえない独特の余韻がいつも残る。
今作を観て気付いたのは全体的なストーリーのドラマチックさよりも、その場面場面での会話やシチュエーションがすごく魅力的な事で例えばリチャード・ギアの医院に妻の妹(ローラ・ダーン)達がどたどたとやってくるシーン、嵐の結婚式のシーンなどでのテンポの良さと爽快さは役者の魅力に負担を負わせているもののうまく言えないが厳格で緻密でしかもひねくれたユーモアを感じました。
映画のテーマらしきものとストーリーの展開に関連性を感じさせないまま魅力的なシーンをつなぎ合わせて観客を飽きさせずいつも大地震や竜巻き、裸のパレードなんて奇想天外なラストに持っていく。だから満足感は残るのだが多少おいてけぼりをくった感じもいつも残るのだろう。
これを書きながら『ショート・カッツ』なんてまさにそれだけの映画だったなと今さらながら気付きました。もちろんそれが魅力の全てではないのだろうけどこういう映画を作り続けてくれるかぎり僕はずっとアルトマンが好きでいられるだろう。
(評価:
)投票
このコメントを気に入った人達 (2 人) | [*] [*] |
コメンテータ(コメントを公開している登録ユーザ)は他の人のコメントに投票ができます。なお、自分のものには投票できません。