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[コメント] ロード・オブ・ザ・リング(2001/米=ニュージーランド)

子どもたちに映画を見せたことを後悔したのは、初めてです。‥‥「R−15指定」にして欲しい、子どもにはお薦めしないファンタジー映画
パッチ

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







注)あくまでもわが家の子どもたちの理解力を棚に上げた、偏った意見です。

◆あの解説で理解しろと言うの?

いつものごとく、子ども(小学1・2年生)と観た。彼らは、最初の解説から全く付いていけない。あの解説で、「全世界を支配する指輪」「指輪の魔力」なんてとうてい理解できない。「指輪」が如何に重要で危険なのか、ピンとこない。

◆子どもたちは無反応

彼らの感想は「暗くて、ちょっと気持ち悪い」だった。映画を観た直後はともかく、あとから「ロード」の話題が全く出ない。「ハリ・ポタ」では箒に跨り駆け回ったし、「ラピュタ」ではラピュタゲームを作り始めた。風呂やベッドでは質問攻めや好きなところを語って止まなかった。「喉が枯れるよ」とうちの奥さんが怒り出す始末だ。彼らの感情の何かが動いた気がした。でも「ロード」にはそれがなかった。

◆対象年齢って大切なんだなあ

「ロード」の映像としての完成度は素晴らしい。この壮大な世界観の映像化は鳥肌ものだが、うちの子はまだ小さすぎたと思う。もともと原作自体彼らはまだ読破出来ないのだから、「対象年齢以下」なのだろう。でも、こうしたファンタジーは、小学生の彼らこそ何かを感じ、勇気のなんたるかを胸に刻んで欲しいと、その時の私は思ってしまった‥‥。

◆彼らから「指輪物語」を奪ってしまったか?

映画を見せたのは、失敗だった。彼らはもう、「指輪物語」を読もうとしないかもしれない。「ハリ・ポタ」は映画を観て原作を読みたいとせがんだ。あの長文を読むにはまだ少し無理があるが、それでも少しずつ読みはじめた。分厚い本に挑戦するきっかけになった。

順番が逆だったのだろう。原作を読んで、想像し、自分で世界を創り上げてみる体験を経て、大人になって映画を観ればよいのだ。私の思いこみでついつい子どもに映画を押しつけちまう。子どもにはいい迷惑だ。今回は心から反省した。

■ここが足りないと思う‥‥子どもたちの感想から_____________

◇指輪を運ぶのが、どうしてフロドでなくてはだめなのかわかりづらい。指輪の魔力、誘惑に耐えられなくなることも理解しづらい。やっぱり、「指輪」に説得力が足りない。

◇フロドに感情移入するには、映画として何かが足りない。フロドは最初から選ばれた者的扱いで、偶然巻き込まれたサムやピピンやメリーの方が、勇気を感じるし、人間的な魅力を感じる。その部分をイライジャ・ウッドの魅力に頼ってないかい?

◇橋から落ちかけたガンダルフを助けに行かない理由が、子どもたちにはわからない。しがみついているんだから、助けに行くのが当たり前だ。彼らには「見捨てた」と映った。

◇敵の数があまりに多すぎて、極端すぎて、立ち向かうことが勇気ある行為と感じられない。戦闘系アニメやゲームの感覚をも超えて、リアルな映像であることが余計に、子ども心にあるリアリティの範囲を超えてしまったようだ。主役たちも強いとは感じられないし。

(評価:★3)

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