[コメント] ロード・オブ・ザ・リング(2001/米=ニュージーランド)
とにかく映像はスバラシイ。 牧歌的な雰囲気も、おどろおどろしいモルドールの雰囲気も、特撮とニュージーランドやイギリスを舞台にしたらしい自然との融合で充分に表現されていた。
ガンダルフなどの重要キャラクターたちも、適切な配役で生き生きとしている(いや、黒の乗り手を「生き生き」と表現すべきかは知らんが)。 「指輪」が与える葛藤を描くことで、どうしても「物語」的になってしまいがちなストーリーに幅が出ていると思う。
難点は、やはり長いし、第1部では話は全然完結しないので、原作に特に関係なく見た人は「え?これで終わり?」と感じてしまうのではないだろうか。あと、登場人物の多さ。 どちらも仕方がないことだけど。
でも、原作ファンでなくとも、こういう系統の話が好きな人は楽しめるハズ。
最大の難点は、次回作まであと1年待たねばならんということ。せめて数ヶ月先にしてほしかった・・・・。
以下、原作を知らない方のためのちょっとした予備知識。
■予備知識(1):指輪と核
60年代にアメリカでこれがはやった頃、いろんな人たちがいろんな視点でこの作品を見た(原作者トールキンの意図はどうであれ)。 その1つが、「一つの指輪」を「核兵器」のシンボルとしてとらえること。なぜなら、「指輪」は絶対的な力を意味するが、それを制御することは(サウロン以外には)できない。そして、その魔力に捕らわれた者は、世を暗黒へと導くことになる。それゆえ、主人公たちがとった選択は・・・。
■予備知識(2):言語学者
原作者トールキンは、オックスフォード大学で教鞭をとったれっきとした言語学者。彼は、研究の一環として独自の言語を作ったが、言語とは、それを喋る種族がいるべきという考えから、その言語をしゃべる種族の世界および伝説を作り上げた。 それが、そもそものこの物語の世界、Middle earthの始まり。 劇中で、エルフたちが喋っている意味不明な言語Elvishや「指輪」に浮き上がる文字がそのトールキン作の言語。
■予備知識(3):ドラクエ
日本では、ファンの間ではしばしば「指輪物語(原作の邦題)なくしてドラクエなし」みたいなことがいわれる。これは、この作品がそもそもロールプレイング・ゲーム(RPG)という分野(正確にはD&DなどのTRPG)の確立に影響を与えたから。以降、さまざまなRPGにインスピレーションを与えた。
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