[コメント] 結婚のすべて(1958/日)
小津でも成瀬でもイケる話。でも喜八。トコトン喜八。ミフネ最高!団令子最高!
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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長い助監督時代に人気者だったという岡本喜八初監督作品は、後の喜八組常連役者となる有名俳優達が多数、監督昇進の「御祝儀」でちょこっとずつ出演している。 長髪で舞台演出家のミフネなんて他じゃ見られませんぜ。
この頃の初監督作品というと、後に開花する特徴の一端が垣間見られたりするのが嬉しいものだったりするのだが、本作は違う。 「後に開花する特徴」なんかではなく、既に喜八スタイルがほぼ確立されていると言ってよい。 実に楽しい。滅法面白い。彼の刻むリズムは私に波長が合うのだと再認識。
冷静に考えれば「女性映画」。小津、むしろ成瀬向きの話。普通ならしっとりした映画になるはずの話。 ところが観ている最中はそんなことを微塵も感じない。 冒頭からものすごい勢いで押しまくる“喜八節”(どうやら当時は「目まぐるしくてついていけない」という評価もあったようだが)。
「しっとり女性映画」から「(当時の)現代風俗切り取り映画」にシフトすることで、いかんなく“喜八節”を発揮できたわけだが、当時の評では「若さ」の一言で片付けられていることが散見される。 この「若さ評」を受け入れるとして、今、驚愕すべきことは、岡本喜八がその「若さ」を生涯持ち続けたことにあるだろう。
そういった「文献的学習」を抜きにしても、素直に面白い映画。
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