[コメント] お葬式(1984/日)
「あるある」映画だと記憶していたら、何でも「ありあり」の映画だった。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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久しぶりに観た。 もちろん高校時代に映画館で観た衝撃は無くなってはいるが、逆に新たな発見も多くあったのでreview全面改訂。
観客へのサービスだの、死に対する生の象徴だの、宮本信子のブランコとカットバックになっていることで「縦運動」と「横運動」の映画的お遊びだの、諸説あるけど、 「いずれにせよいらねーんじゃねーの?」 と以前書いていた例のHシーン。
訂正。いる。必要。
この歳になって初めて気付いた。これは夫婦再生の物語だったのだ。いや、正確にはその要素を盛り込んだ、あるいは夫婦再生の物語という形で無理矢理オチをつけた、というべきか。
いわゆる「あるある」ネタで笑いをとる部分が多い。「いつもここから」のネタのようだ。佐野浅男みたいなオジさんいるよなあとか、そういうの満載。高瀬春奈だって同じ。「頼むからわがまま言わないで帰ってくれよ」みたいな、あるでしょ?(ない?) ただ、こういう「あるある」部分が単なる笑いに終わらず不快に思えてくるあたりも伊丹色。
一方今更ながら発見。
カーチェイス、トリック撮影、360度パン、ミュージカル(東京だよおっかさん)、ラブシーン、縦移動、横移動、長回し、役者の独演・・・もう映画的なことは何でも「ありあり」。伊丹十三、初監督作品でもう喜んじゃって何でもやりたがっていることがうかがえる。もちろんこの時から「食」と「性」へのこだわりは尋常じゃないことは言うまでもない。
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