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[コメント] ビューティフル・マインド(2001/米)

博士の異常な数学への執着、そこから始まる孤独の世界、それをも包み込むアリシアの想い。どの世界もリアルなのだ。
あき♪

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







初めに、私は大学、数学科でした。(勉強しなかったけど・・)

だからと言うワケでは無いけど、数学的に表せる一定のパターン、論理、定理、方程式で物事の動きや法則性、習慣性、カオスまで含んだ整合性を完璧に表せるのではないか?、と言う幻想は少しだけ思った事はある。 冒頭のシーンでナッシュ博士が光の光線をネクタイの模様に重ね合わせ数学的に美しくないと言ったのが、そのイメージ。

何らかの模様に法則性があると感じて、それらを一定のパターンに置き換えると言う発想は確かにそこに何かあると感じた時に私もする事がある。

数学とは一定のパターンを抽出解析し、そしてそれらを推測的観測に役立てる 学問だと私は思うので、ナッシュ博士の数学に対する執着は少しわからない気がしないでも無い。 何故なら、自分の推測した定理で、その先にある事象を予想出来るという事は「それを支配出来る」という事だからだ。

でも、彼の数学的な推測から事を発した妄想はドンドン、自分の内の世界へ波及して行く。 それは、友人も無く孤独な自分を守るために自分の都合の良い様に作り出した妄想だ。

友人として出てくる、チャールズは文字通り孤独を埋める友人として、 政府の役人として出て来るパーチャーは自分の才能を評価してくれる世界の象徴として、 途中から出て来る子供は、自分の庇護力、無条件で自分を受け入れてくれる存在として、 ・・・考えてみればイヤなヤツだなこのナッシュ博士は。

それに対して、アリシアは素晴らしく輝く。 彼のミューズとして、彼女だけがリアルであったと言うのは 素晴らしく幸福な現実だったのかも。

それにしてもこの彼の妄想であったと言う表現は見事だったと思う、 判り易く、話の展開もスムーズだったと言う点で。

まず黒服の政府の役人達、初め「役人だからって黒服かよっ!?」とか思ってたけど、彼の頭の中での妄想であったので、凄く納得したし、 少女が年をとらない事で妄想である事に気付く所も凄く感心した。(昔こんなシーンを何かで見た事があるけど、今回も感心してしまった)

それにしても、ラッセルクロウ、ジェニファー・コネリーともに最高でした。 そしてロン・ハワード監督の映画、今の所、私にはハズレが無い。

やまない雨は無い、でも病んでいても生きていける只そこに人が居てくれれば。

そんな風に感じました。

中々な良作♪、えい、ちょいとオマケの5つ★。

横須賀HUMAXシネマズ8 にて3/31、3:10の回より想いをこめて。

(評価:★5)

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