「ドラマを排して映像と音で押し捲る」と聞いていたのだけど、実際に見ると（演技や音楽も含めて）過剰なまでにウェットな物語であると感じた。

多くの方が指摘される通り、「味方」が傷つき死んでいく様は懇切丁寧に描写する一方で、「敵」はゾンビかエイリアン並の扱い。これならばいっそどちらも等しくゴミのように薄っぺらく描く方がマシだったんじゃなかろうか。

そして退却する部隊の前を笑顔の少年達が先導し、靄の中から歓呼の声（だよね？）をあげる群衆が。更に疲れ乾いた心を癒すかのように水を差し出す…。

こんな演出を見ると、「19:1000」という数字も含みを持たせた（例えば『ジョニーは戦場へ行った』のエンドテロップのような）ものではなく、単に「我々の貴重な人命が19名も失われた！」と言いたいだけなのか？と思えてくる。

やっぱりこれはダメな映画だと言っておきたい。