[コメント] ブラックホーク・ダウン(2001/米)
映画を見終った人むけのレビューです。
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群集が悪意に満ちて人(敵)の死を喜ぶ映像に、背筋が凍る思いがした。 実際の暴動でもよく、いわゆる「リンチ」という映像がテレビで流れる。死んでからもまるで生命が宿っていないおもちゃのように弄ぶ。 戦争や暴動には縁が遠い日本という平和な国に生きている私にはまるで他人事だった。 実はちょっと興味本位な目で見ていたりもした。
でも・・・
実際は違う。もちろん、私が観たのは作られた映画の中の映像。それでもあの恐ろしさには目を背けたい思いがした。だけど背けてはいけない気もした。私には「なんであんなに人を人として見られないのか」という疑問しか湧かなかった。あまりの不可解さに涙すら出た。
生きている環境によっては、違う国に生まれ育った人は同じ人間に見られないこともあるんだろうけど・・・。私の疑問を理解できない人だって山のようにいるだろうけど・・・。
本当はどれが正しいのだろう。同じ地球に生まれた者として協力して、手と手をつなぎ合っていきたいと思うのは、本当は間違っているのだろうか。私の考え方はおかしいのだろうか。
「死者だけが戦争の終わりを見た」というプラトンの言葉が掲げられていたが、まさにそうなのであろう。きっと一生、答えは出ない。
結局、アメリカ軍はソマリアから完全撤退した、という文字を見たとき、「無駄な死だったじゃない」という怒りを感じた。多くの人も感じたと思う。内戦に他国の第三者が介入してもなんの解決にもならない、という失敗例になったのだから。
それでも、飢えや恐怖に苦しむ人々を放ってはおけなかったアメリカという国を、私は称えたい。悪く言えば「でしゃばり」だろうけど。よい道に導く手伝いがしたい、という巨大な国の考えかたは、きっと間違っていないと思うから。
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