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[コメント] ターミネーター2(1991/米)

前作であれほど強かったシュワちゃんのターミネーターが,一見あんな弱そうな新型に追いつめられていく様には,ちょっと悲哀を感じた。
ワトニイ

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
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第1作と全く違う方向を目指しながら,第1作と同じレベルのインパクトを与えてくれたという点で大いに評価したい。

特に,前作であれだけ強く怖かったターミネーターが,一見優男風でどう見ても弱そうな新型に追いつめられていく展開には,スリリングさと同時に悲哀というか,はかなさのようなものも感じた。

シュワちゃんのターミネーター旧型を「剛」とすれば,新型は「柔」とも言うべき強さを持っているが,こうした設定が生きてくるのも,第1作でシュワちゃんの「剛」の怖さがあれほどにも印象づけられていればこそだろう。

そしてもう一つ,この作品は,クサいと言えばクサいのかもしれないけど,なかなか感動的で,そこが第一作と最も違っている点でもある。

特に、機械であるはずのターミネーターとジョンとの心の交流が実に巧く描かれていて、それがあってこそ、あのラストの「人間がなぜ泣くのか、わかった(I know now why you cry)」という名セリフが活きていたし、さらに、これまた第1作でターミネーターが執拗にサラを追い詰める(文字通り(^_^;))血も涙もない悪役として描かれていたことも、ラストの印象をより強いものにしていると思う。

そして、これが人間の役なら、シュワちゃんの演技はNGかもしれないが(笑)、機械の役だからぎこちなさがちょうどうまくハマってもいたと思う。

ハリウッド映画のアクションやSFものの中では、例えば、伏線がうまく張られ、ハラハラドキドキさせながらそれを見事に回収していく『ダイ・ハード』や(時間のパラドックス的には矛盾もあるみたいだが)起承転結が実にうまく構成されている『バック・トゥ・ザ・フューチャー』などの方が映画としての出来はよいと思うが、そういう意味で、この作品の方が私はより好きである。

(評価:★5)

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