映画を観終わったあと、タイムスリップ「できなかった」理由を考えていた。

しんのすけを追いかけるために、マイカーに荷物をつめこみ準備万端整える野原一家。しかし、なかなかタイムスリップできない。（しんのすけがタイムスリップした時を起点に、過去と現在の因果関係が同じ速度で歩んでいると仮定して…）しんのすけが過去で両親を呼ぶ手紙を埋めたとたん、一家はタイムスリップに成功！そうか、あの手紙が過去で埋められることなしに、一家はタイムスリップできなかったのかぁ。

しんのすけと再会し、今度は現在に戻ろうとする野原一家。しかし、ここでもタイムスリップできなくなってしまう。心配そうに見つめる又兵衛。そして芽生える又兵衛と野原一家との交流。又兵衛は、野原一家が隣国との争いに巻き込まれぬよう気遣い、元の世界に帰る機会を与えようと画策する。

無念にも、暴発した銃弾に倒れた又兵衛が最期に、言った言葉。「思えばしんのすけと出会ったあの時、私は死ぬはずだったのだ。しんのすけのおかげで、私はこの春日の国を守ることができた。しんのすけがそのためにこの世界に来たのなら、その仕事をやり終えた今、きっと帰れるはずだ…。」

そして又兵衛の言葉の通り、野原一家は元の世界に帰ることが出来た。

でも、私は又兵衛の言葉の裏にもうひとつの条件を感じてしまった。ひょっとして、しんのすけが偶然救った又兵衛の「死」こそが、元の世界に戻るために必要な条件だったのではないか。もし、そうだとしたら…。なかなか元の世界に戻れない野原一家を心配そうに見つめ、気遣う又兵衛の姿。そして、又兵衛の討ち死にを防ごうと必死に助太刀する野原一家。あ〜、そんな残酷なぁ。それではあまりにも辛くて、もう二回目は観れないよ。…また、泣けてきた。

(02.05.04 screen 278seats DOLBY SRD)