[コメント] スパイダーマン(2002/米)
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「普通の高校生がある日突然スパイダーマンになる」 アメコミのオリジナルがどういう設定なのか知らないが、これってまるっきり『寄生獣』じゃん!(『デビルマン』もそうだが) すぐ闘いに入らず、主人公が獲得した特殊能力を無邪気に活用して楽しむあたりもまったく一緒。『寄生獣』の映画化権をハリウッドが取得したって昔聞いた事あるけど、こうして少しずつパクられながら既出感が出て、新鮮味を失っていくのだとしたら悲しいなあ。
面白いなと思ったのは、『寄生獣』でも『デビルマン』でも、共通するサブ・テーマの一つに「帰属意識の揺らぎ」というのがあって、化け物と人間の中間的存在であることから、人間からは化け物呼ばわり、化け物からは人間と呼ばれるという悲しい宿命を、性として受け入れられるかどうかが描かれる。だが、このアメリカ映画(がたまたまそうなだけなのかもしれないが)では、スパイダーマンにしてもコブリンにしても、他者と違うという事で奇異の目で見られることからくる苦悩や、その裏返しのエリート意識みたいなものが芽生える所も描かれるが、普通じゃないということが彼らの個性になっている。つまり単なるフリークスとして描かれている。このテーマは究めれば面白そうだ。誰か頼む!
しかし カースティン・ダンスト (?『チアーズ』のパンフにはキルステンとあるぞ)ってホントいい女だな。顔の造形美とは別の美しさってものがこの世にはあるんだという事を教えられる。声がまた耳に心地よくて、いい声音をしていると言うより、(単語が聞き取れるわけではないが)活舌がいいという感じ。冒頭、運転手に向かって「バスを停めて!」と叫ぶところなど、正義の響きがあったよ。むしろ彼女を“スパイダーウーマン”に仕立てた方が良かったんじゃ、とこれは観終えてから思った事だが。まあ、あの猫背だけは矯正してやりたいと思う。
もし俺が監督なら、2作目か3作目でMJ(ダンスト)をスパイダーウーマンにして、悲恋を成就させてやっちゃうね(原作無視)。
75/100(02/06/01見)
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