[コメント] スパイダーマン(2002/米)
映画を見終った人むけのレビューです。
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誰でも良いのだが、もし主役がブラピだったら「ブラピならホントに起きそう…」で、見ていてやや冷めてしまい説得力が感じられないのだが、トビー・マグワイアにしたところにヒットの勝因が隠されているのだろう。腰が砕けそうなぐらいの威力あるフェロモンよりも、「こいつヤヴァイ!」と、見る者が思わず身構えてしまうトビー・マグワイアの変態チックな目。近所にいる身近な変なお兄さんを演じると、右に出る者はいないトビー・マグワイアは、等身大の変態オーラが漂っているので、説得力がある。そのリアリティ溢れる変態から正義の味方というギャップを利用し、スパイダーマンに新たな境地を見いだせたのは、見事な説得力であり計算力だ。
また、ヒロインがキルステンという美人ではない、子役アガリの真性女優を持ってきたのも計算通りなのだろう。好みの問題だが私は「どこが可愛いねん!」と、いつもキルステンがヒロインを勤めている映画を見ると終始画面に向かって叫んでいるのだが、何故キルステン?ま、正義の味方の相手役ってキルステンしか余ってないよな。他の若手女優は、ほぼどこかの勧善懲悪系映画のヒロインになってるし。残されているのは潰しの利く米国版安達裕実ぐらいだろう。くじ運が悪いというか、何というか、トビー・マグワイアが相手とは…ご愁傷様ですキルステン嬢。
…てことで、勝ったのは観客でも役者でもなく、キャスティングの不味さを巧く処理し、大いに作中で遊んだ監督だけの勝利。『フィルムはティッシュ代わりであり、手から出る糸は監督の自慰行為の賜物』と、つまらない映画を見終わった今は、そうこの映画を解釈している。
2003/1/4
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