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[コメント] KT(2002/日=韓国)

英雄はひとりもいなかった。
ちわわ

僕自身は、割と社会運動とか政治運動には斜に構えた生き方を しているので、どーしても冷淡にならざるをえないところが ある。

この映画の登場人物たちの行動も、はっきりいっておろかに思えてしまう。 もちろん、彼らの生活や信念からすると、その行為が逃げられぬ ものだということを理解したうえで、なお・・・。

でも、確かに共感したのである。 どの人物に共感して、どの人物に共感できなかったということでは なくて、主要人物のほとんどに。

なぜか?映像の力としかいえない。当時の時代状況を的確につたえよう とする台本と、そのなかで生きている個人を映像がひっしでつたえようと しているからとしかいえない。

彼らの行為は間違っていたと僕は「考える」。でもそれは時代をともにしていない人間のひとつの見解にすぎない。もちろん間違っていなかったのかもしれない。ただひとつたしかなのは、最初から英雄はひとりもいなかった、ということだけである。

人物たちに共感しつつも、けっしてイデオロギーの主張に終始していない。 そこにこの作品の魅力があるように思う。

(評価:★4)

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