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[コメント] ミスター・ルーキー(2002/日)

念のため言っておくと、私の感覚では、“映画”を観に行ったのではない。純粋なる阪神ファンの「当然の義務」としてこれを観に行った。(既にこのコメント、カミング・アウト記事と化してます)
甘崎庵

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







 だって、あの阪神の話だよ。こんな映画になるくらいに落ちぶれて、それでもファンは決して見捨てず、健気に頑張ってる阪神だよ。一ファンとしては絶対にいかねばならない作品なんだよお。

 漫画家の西原理恵子には「阪神ファンは脳味噌が酸化してる」とまで描かれ、それを自虐的に笑うしかなかったその阪神ファンだからこそ、分かる喜びがある!

 よって、この作品に関してはなるだけ目をつむることにしよう。最初からそのつもりで観に行った。

 いやはや、これは見事に駄目邦画の典型的な作りだ。テレビドラマとたいして変わらないホーム・ドラマに努力と根性をぶち込んで、最後は当然ハッピー・エンド。

 前半1/3でほとんどラストまで見通せると言う単純な構造。主人公の長島一茂は大根、鶴田真由はとても「お母さん」に見えない。慣れないためか、妙に関西弁が浮きまくる竹中直人。カメラの撮り方はまんまテレビドラマ。

 理性ではそれがはっきり分かっている。分かってるんだけど…

 やっぱり熱くなるんだよお。映画館の中で、叫びだしたくなるくらいに。ここが鹿児島じゃなく、大阪だったりしたら、映画館の中は異様な大声で満たされていただろう。凄い邪道だけど、そんな場所で観てみたかったよお。

 それに、あの後半の僅か5分くらい、もの凄く重要な、阪神ファンだったら絶対涙流して喜ぶシーン。「ミスタァ〜〜〜、ブァァ〜〜〜〜スゥ」!!!!。いや、マジでこのシーン、全身の毛穴からどっと汗が噴き出してきた。阪神ファンだったら、この名前に涙せよ!。ひょっとして、阪神ファンにとっては「優勝」よりこれが実現する方が喜ばれるかも知れない。

 最後の六甲おろしをちゃんと口ずさんでから映画館を出る。いや、何かとても貴重な体験をしたような気分になった。

 これが私にとって始めての、そしておそらくは唯一の「点数無し」映画とさせていただく。

(評価:★0)

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