いいですね〜『王様と私』とか『マーベリック』とか、ジョディ・フォスターの映画は数あれど、やはりサスペンスが一番はまってると思うのは私だけではないはず。でもきっと、ご当人はそういうレッテルを貼られるのはいやなのではないかと想像もしてみる。

　映画は全体として、どっしりとして枝の少ない大木、または岩に殺ぎ落とされながら走る急流のような印象。余計なものはほとんどない、すべてが結末に向かって怒涛のように流れていくイメージ。画面そのものは静寂と暗さを感じさせるのにもかかわらず。

　悪役もキャラクターがよく描けていて、ひとつの楽しみでもありました。なんか顔の見えない犯罪者だと余計に恐怖が増すでしょう？ああいうもんだと勝手に想像してたので、最初からバッチリ悪役が登場したのには「あ、そうなんだ」とちょっと期待はずれの感はありましたけど、でも観ていくうちにそれはそれで面白かった。つまり、ホラー（超常現象系）の恐怖ではなくサスペンス（人対人）なんだ・・・とちゃんと納得できました。

　閉じ込められた状況が「徹底的に」描かれているからこそ、その状況に立ち向かうヒロインを必至の思いで見つめてしまう。