[コメント] 活きる(1994/香港=中国)
平和ボケした私は、以前の彼でした。
歴史は苦手なので、この映画の時代の中国での生活がどんなものだったかはよく分かりません。現在の中国の生活もどんなものかよく分かりません。
ただ、主人公のフークイが、家を失い、妻が子どもを連れて家出をしてから、それまでの家の裕福さに甘えてただダラダラとなんとなく生きていた生活から、いろんなことを経て“生”に執着を持って精一杯生きている様がよく伝わってきた。楽しいことも辛いことも精一杯感じて表現して、そのときそのときを全身で感じて全身で活きている。それこそ“活きる”なんだと感じた。
平和ボケした今の私は、以前のフークイかもしれない。 他人の親切、恵まれた環境、いろんな物事の便利さ、親の収入・・・いろんなものに頼って、将来が見えなくても“なんとかなるさ”といいかげんに生きているような気がする。“生”に執着を持って生きることは、人の生死を目前にした経験があまりない私にとっては難しいことかもしれないけど。
ただ、そういえば、精一杯生きていた時期は私にもある。あの頃私は、何事にも一生懸命だった。 人生常に100%で生き抜くことはかなりのエネルギーがいるし、難しいことだろう。たまには一休みしてもいい。(といって自分を慰める)
でも、フークイがそうだったように、私も立ち直れるなら、そろそろまた頑張ってみてもいいかもしれない。
そして、この映画は、そんな私に“辛いこともあるけど、耐えるんだぞ”というのである。
・・・・そして私は・・・・
これからの日本で生きていくにはこの言葉はちょっと重いな・・・と思ったりもするのである。
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