[コメント] 活きる(1994/香港=中国)
あの大傑作『秋菊の物語』の次回作であるというのに製作後しばらく輸入されなかったことも頷ける。
この監督の中ではイマイチだと思う。賭博シーンの空間描写の濃密度だとか影絵芝居のシーンの面白さだとか、勿論見捨てられない部分もあるのだが、多くの場面で画面は平板だし、人物の性格付けも通俗的だ。この監督はこのような大河ドラマ的な題材よりもミニマルかつエキセントリックな題材の方が向いているのだろう。或いは戦場のシーンなんかは本当はもっと物量で勝負したかったのではないか、とも思う。つまり、不完全燃焼な気配を感じる。またフークイを演じているグォ・ヨウという役者の弱さも出ている。彼の演技が拙いという訳ではない。いや序盤の全てを失う展開あたりまでは実に良いのだが、中盤からどんどんカリスマ性を失っていく。
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