アナキンとアミダラが歩み寄っていく過程、アナキンがダークサイドに陥る発端らしいものなど、エピソード１にはなかったドラマティックな要素がこの作品にはあって、少なくとも前作に比べればずっと見やすくなった。後半の戦闘シーンは本当にスター・ウォーズ、宇宙戦争という感じが出ていて圧倒されたし、話がやっと前３部作に近づいてきたという安心感もあった。

アナキン役の演技はぎこちないし、アミダラとのシーンは稚拙きわまりない。後のダース・ベイダーがあんなことをしたと思うと、背筋が寒くなる。でも、稚拙でも、二人が周囲から浮いていてもいい。それらが後のダース・ベイダーにつながるということだけに意味があるのだから。

とってつけたようなオビ・ワンとの確執めいたものもないよりはあった方がいいだろうし、母親を失うシーンなど、アナキンがいずれダース・ベイダーになるということを知っていても、多少の感情移入は可能なドラマが入っていた。

個人的には、もうかなりダークサイドよりな気がした。オビ・ワンの陰口たたいてるし、アミダラに下心いだいてるし、激しい感情をところどころで見せている。これだけ未熟じゃなければ、ダークサイドになんか落ちないだろう。そういう意味で、次作へつなぐというこの作品の役割は充分果たしたのではないかと思う。これはあくまでも前３部作を楽しんだ人が観るという前提に立っているのだが、そういう前提がなければとても観れたものではないという意味でも、正しい鑑賞の仕方だと思う。

それと、アミダラの髪型と衣裳がまともになっていたことにほっとした。替え玉は相変わらず妙ちきりんな髪型だったけど。エピソード１のままだとろくなラブシーンも撮れないのは確かなので、あざといというか正直というかほらみろというか、とにかく良かった。

唯一のユーモアである名コンビが再会を果たしたことも嬉しかった。Ｒ２って歴史の生き証人だったんですね。