[コメント] ピンポン(2002/日)
映画を見終った人むけのレビューです。
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劇中で、アクマ(佐久間)がスマイル(月本)に「何でお前なんだよ」と泣き崩れるシーンがあったが、今まで、(アクマのように明確な目標を立てるようなことはしてこなかったものの)、人生そういうものじゃないかなと常々感じながら生きてきた自分のような人間にとって、それはとてもよく共鳴できるシーンだった。
上達するには楽しまなければならない。
しかし彼は、あくまでスマイルやペコに追いつき追い越せの精神で卓球をやっていた。それが彼を支えていた。さすれば、それが叶わぬことと知ると、その情熱は一気に冷めてしまう。根本的な、楽しむと言う精神がないから。それはドラゴンやチャイナもそうだった。
その正反対がペコ(星野)で、彼は絶えず生き生きと卓球をしている。勝てば喜び、負ければ悲しむ。極めて単純な性格が、彼の強みにもなっている。苦しみを凌駕できるほど楽しめると言うことは、それは最早立派な才能と言っていいと思う。
終始一貫クールなスマイルは、ヒーローが戻ってくれるためだけに卓球をする。自分だけのヒーローにもう一度会いたくて。そう考えると内面に一番燃えたぎるものを持っていたのがスマイルだった気もしてくる。
予定調和に話は進んでも、邦画に良くある押し付けがましさのない後味爽やかな映画という印象で、卓球の魅力は十分捕らえられていたと思う。ただ、『少林サッカー』のように「秘技 シャイニング・スマッシュ」のようなとんでもない技でも出てくるかと思ったけど試合は至ってシンプルでしたね。
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