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[コメント] 猫の恩返し(2002/日)

ニャンだこりゃ。
ebi

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







 結論としては★2。観賞後、何も残らない点において“ニャンだこりゃ”。言わんとする事は分かるのだが、それが心に響いてこない。余韻が全くない。それは、さしずめ“恋に恋する乙女心”、デコレーションはしてあるけれど中身の入っていないプレゼント箱...。

 話については...特に語る事はない。人畜無害、さわやか〜に、かろやか〜に、予定調和〜に、サラリと終わった。なんだかハッキリとした形にはできないにしろ、ちょっと想像力豊かなら誰でも、思い描きそうなストーリーで何の目新しさもなかった。

 誰かも描いていたが“監督が違うとこうも違うか”という点で一番それを感じるのはバロンの存在。『耳をすませば』での、あの凛とした存在感が損なわれ、額に“男爵”と書いてあった。これは正直ガックリ。ムタ、トトも含めキャラクター設定は決して悪くはないのに、どこか不自然さが際立っていて鑑賞中、何度も苦笑いした。

 もう1つ。同じジブリ作品『千と千尋の神隠し』とのラストの扱い方の対比。双方とも主人公の女の子が現実とは異なる世界でひとときを過ごし再び現実へ戻ってくるのだが、一方は事後の変化を描き、一方は事後の変化を全く描いていない。(千のこの件に関しては千のレビューで語っているから割愛するとして)例えば本作のラストが千の様に事後の変化を描かずして終了していたらどうだろう? 明らかに千とは違う気持ち悪い物足りなさを感じるだろう。かと言って本作通り、事後の変化を描いても、特に何の余韻もない。結局、予定調和にしかなりえないのだ。「なくちゃ変だろ」くらいの意味合いで据えたラスト。この時点ですでに“監督が違うとこうも違うか”なのである。

 とわいえ決して内容的に悪い作品ではない。親子で気楽に見るには良いと思う。テーマソングが、とても心地良かったので+★1。

(評価:★3)

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このコメントを気に入った人達 (2 人)映画っていいね[*] あさのしんじ[*]

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