[コメント] 青い春(2001/日)
映画を見終った人むけのレビューです。
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まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。
星野君が・・・星野君が・・・。『リリィ・シュシュのすべて』の星野君がパシリになってる(^^;
彼のイメージは自分の中で完全に星野君だったのでどうも、この役には違和感を覚えた。
しかしその違和感もさっさと取り消された。
この映画には不良が居る。なのにいじめが少ない。あるのは不良たちの話だけ。
決していい話でもないし、不良グループが少しずつ自分達の道に進んでいく姿に切なさも感じないし、彼らの感情がびっしり描かれているとも思えない。
それでいて1時間半あきさせないのは映像の凄さ。音楽の派手さ。そして映画のテンションの高さ。
あれだけテンションの高い音楽で映画盛り上げても松田龍平のテンションで映画の均衡が保たれる。けど、彼のキャラって『ピンポン』のスマイルと似てないか?友達を突き放す。昔から暗い奴とか・・・。
この映画、はっきりいい映画とは思えない。まぁ確かに描けてなくもないが、もう少し上手くやればもっともっと凄い作品になれたはずだ。自分はこの映画は結構並な作品だと思う。
しかし映像のかっこよさというか、すごさと言うのかに圧倒されつづけて、結局「楽しめた」。楽しめたが、考えはしなかった。
確かに前半の一触即発の閉鎖館というかギリギリの感じがあって、それが後半にあの友達の奴がヒートアップして帰ってきてからその一触即発の感じが強まっていく。たしかにいい。この緊張感はいい。
だが結局彼らの青春(=青い春)を描いてるようで、描ききってない感が残った。
個人的にはめがね君のエピソード。そして野球部のエピソードが好き。
しかしあの野球部には問題がある。部員数。だって最後まで走ってるのは一年だけ。それなのに「甲子園は夢だった」とか「最後の1球」の話をしていた。
「最後の1球」ってことは予選にでたわけだ。しかも「あの1球がカーブだったら」って言ってる辺りいい所まで行って土壇場で逆転された感じ。
それなのに残った部員は一人?ってことは野球部は不良ばっか。練習さぼりまくり?あれ?おかしくないか?
しかもその後軽くヤクザに行って帰ってこない。もう少しエピソード追加してくれてもいいんじゃないのか?
まぁ映像と音楽で結構押し切ってくれた(=ごまかしてくれた)からいいとしようか・・・。
それから弱いものいじめのエピソードとか追加してもいいんじゃねぇの?『リリィ・シュシュ〜』みたく。いくら不良の話でももう少しさぁ・・・。弱いつーても調子に乗ってる不良じゃなくて、端っこのがり勉君とか。よく虐めの対象にされそうな人。
あっ、そうそう。松田龍平はお父さん(=松田優作)に似てるねぇ。
映像、ストーリー、音楽。ほとんどいいはずなのに、どこか足りないものがある。
もしかしたらそれは主人公が不良の頭なのに頭をしていないからか?「学校」という一箇所にとらわれて不良を描き外の世界で暴れないから?
いや、外の世界どうこうの問題ではないと思う。ではなんだ?何が足りない?
それは彼らの内面かも?心理描写?内面の葛藤・・?一応描けてたじゃん?一応は・・・。あくまで一応
もう少し内面が足りてないのかもしれない。まぁ、「学校」って閉鎖された空間の中のみでの物語だけにここまでやったのなら立派なのかもしれないが・・・。
映像・・・5☆☆☆☆☆ 音楽・・・4☆☆☆☆(少しうるさい)
総合・・・4☆☆☆☆(4点か3点に悩む。1時間半押し切ってくれた映像と音楽があるだけに)
―――追加
なんか思い返してみれば、思い返すほどずしっとくる。映像のかっこよさだけじゃなく、不良で、反社会的な行動ばかりしている奴が自分の将来を見つめて不安になる姿と、強くなろうともがく姿。
すっげー切ない。
★4→★5
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