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[コメント] 海辺の家(2001/米)

「悪いことが良いことを導くってこともあるだろ?」
ことは

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







うーん、この台詞にじん…ときました。

冒頭部分は正直入り込めなかったです。ピアスして化粧したヘイデン・クリステンセンを見て、何だかなあ、と思いつつ鑑賞していました。 けれども、ジーナ・マローンのやわらかい笑顔が映し出された途端に、うん…?と方向転換し、画面に徐々に惹きつけられていきました。なんともまあ、単純です。

そして、結末に向かうほどに、この映画はどんどんと良い印象になっていくから不思議。まさに僕自身この作品を鑑賞する過程が、「悪いこと(印象)」が先にきたがために、後になるにつれて「良いこと(印象)」を導いてくれました。

ケビン・クラインヘイデン・クリステンセンの親子の間は、最初は最悪の状態。しかし、ヘイデン・クリステンセンの父親に対するわだかまりや抵抗感がだんだんほぐれていく過程、父親への気持ちの変化が、素直に感動できました。 彼も最初は、最悪の印象。けど終わってみれば、一番印象に残る人物像となっていました。

邦題から何となく、「家」が主役だと思っていましたが、実は親子の絆を軸に、周囲を取り囲む人たちを魅力的に描いています。そう…主役はあくまで家で過ごす「人間」たち。その人間たちの葛藤や交流を通じて、それぞれ、特に父と子、そして元妻が少しずつ絆を深めながら、成長していく。

人はすぐにでも変わることが出来るんだ、というケビン・クラインの言葉が、見ている自分に、さらに力を与えてくれたような気がします。

最後のエピソードも静かな幕切れにふさわしく、悲しみよりも暖かさが胸にじわっ…と広がっていきました。 海辺の家でのこれからの新たな物語が、優しく綴られていくことを予感させてくれる、そんな余韻に浸れる素敵な作品です。

(評価:★4)

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このコメントを気に入った人達 (8 人)わわ[*] megkero[*] ミルテ[*] makoto7774[*] 映画っていいね[*] nob[*] RED DANCER[*] プロキオン14[*]

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