ＳＦアクション映画｡

初めからパロディと割り切って見ればまあまあ楽しめる｡ストーリーは過去のＳＦ映画やアクション映画の要素を引っ張り出してつなぎ合わせただけでオリジナリティは皆無｡

この映画の最大の難点は話自体は真面目に作ってあるのに､登場人物はどれもコメディ的なキャラでキャラ同士の掛け合いがおふざけにしか見えないところ｡もう少しシリアスに作ってくれれば､話にもメリハリが出たと思うが､ストーリー展開があまりにも杜撰なので緊張感が全く感じられなかった｡敵の行動も大胆だが､本当にそれだけで怖さも強さも発揮されていない｡

売りのワイヤーアクションもあまり使い慣れていない感じで､役者の動きにも切れがない｡特撮も『アヴァロン』を意識した映像にしているのも気になった｡役者にしても金城武は日本語の演技が拙く､他の役者とのバランスが取れていなかったのが気になる｡ 他の役者もコメディ演技でのおふざけ度合いが強く､シリアスな演技になってもコミカルな面が捨て切れていなかったのも気になる｡未来からやって来た少女ミリ役鈴木杏だけは唯一シリアスな一面を何とか保っていて存在感があった｡

総評としては娯楽映画として見るには､テンポが悪すぎる作品｡２０分ぐらい省略すればもっとテンポもよくなったと思う｡