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[コメント] チョコレート(2001/米)

主人公のあの「臭いものに蓋」的な行動がなかったら★4でもいいんだが…。[シャンテ・シネ1]
Yasu

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







まず鼻に付いたのは主人公ハンクの人種差別主義者としての図式さ。この話の舞台は、おそらく歴史的に黒人が差別され続けてきた土地なのだろう。しかしそれにしても、ハンクが黒人を差別するのにはしっかりした理由があるとは思えず(まあ差別ってそんなものなのだろうが)、どうにも納得しがたい。

さらに言えば、レティシアの息子が車に轢かれた時に通りがかったのがハンクというのは、さすがに偶然すぎる。

ま、それでも、死刑囚のエピソードなど、心引かれる描写はいくつかあったので、まあ甘めの採点で★4でもいいかなと、途中までは思っていた。

しかしクライマックス前になって、以前のハンクよりもさらに黒人嫌いな父親・バックがレティシアに暴言を吐いたことで、ハンクはその父親を施設送りにしてしまう。

何を考えているのだハンクは。レティシアとの仲がダメにならないように、筋金入りの人種差別主義者である実の父親とは縁を切るというわけか。正に臭いものに蓋である。

ラストでハンクは「俺たちきっと上手く行く」とレティシアに言った。が、たぶんそうはならないと思うぞ、オレは。

というよりも、根本的な問題に目をつぶったままで、うわべだけ適当に取り繕って「メデタシメデタシ」としてしまうような、こんな安直な話がアカデミー賞を取ってしまうというのは、やはりアメリカという国(そして人間全体)の限界を見るような思いがしてならない。

…ちょっと毒を吐きすぎかな。

(評価:★3)

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