ハードボイルドを志向して、影のある映像を撮ったのは良いけど、ハリウッドのセット部隊が作った異様な清潔感というものはやはり影と相反するものだから。汚れや顔の歪みを表現するという志向と。ＬＡのスラムで麻薬を手に入れる時も、眼が無いっていうウリでビックリショーにしなくても、もっと怖い人物を出せたのではないかな。ハードボイルドだ、と言ってる割には肉焼いちゃうし・・・・・・笑ったけど。それでも『ブレードランナー』を念頭に置いてこの映画撮ってるの解るから・・・・

解るんですよ。ゴミ散らばしちゃうとＩＬＭのＣＧには不都合だって。でも、そのおかげで、それなりの絵しか出来ないんだよね。確かにＩＬＭが絡んだＣＧには楽しませてもらった。アニメではあっても実写化は初めての映像があるし。『マトリックス』みたいに変な誇張やカンフーは入らないし。

トム・クルーズは相変わらず打算が見え透いた演技で下手糞。ブラッド・ピットと同じ方向の下手さ。スピルバーグが映像でそれを誤魔化してるのが良くわかる。

あと最後のほうに大団円に持って行くのは勘弁。あれだけの数の不当逮捕をやっておきながら、ジョンは幸せかよと。アメリカの観客はこれで一番満足するって公開前の試写でなったんなら深刻だなあ。スピルバーグがああやったんなら、もう、ちょっとハードボイルドは止めたほうが良いかも。本質と相反するんでしょうね。