[コメント] 踊る大捜査線 THE MOVIE2 レインボーブリッジを封鎖せよ!(2003/日)
映画を見終った人むけのレビューです。
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まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。
この映画には生身の人間がどこにもいない。沖田管理官(麻矢みき)は言うに及ばず、わたしたちがあんなに愛した青島君もすみれさんも和久さんも雪乃さんも真下君も課長も署長も室井さんもどこにもいない。あそこにいたのは青島君やすみれさんや和久さんや雪乃さんや真下君や課長や署長や室井さんの顔をしたロボットだ。またぞろ同じシチュエーションで同じ表情で同じ台詞を言わせて、一体なんのつもりか。エンドレスの全自動人形劇か。
久しぶりに会ったあいつ、変わってないなあ、でもしばらく会わないうちにいろんなことがあって、変わった部分もあるんだなあ、そんなことを思うときに、誰かに対する愛おしみって深まるものなんじゃないのか、人間っていつまでも変わらない部分と、いろんなことを経験して変わっていく部分の両方があるから魅力的なんじゃないのか、ただ変わらないだけじゃロボットと同じだ。なんかこれ書いてるうちに、みんな口の部分がカクカクしてたような気さえしてきた。(腹話術の人形みたいにね。)
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…そして、いったいなぜ、「恩田すみれが」「肩口を」撃ち抜かれたのか?
それは「すみれさんの番」だったからだ。
真下君はテレビシリーズで死にかけてるし、和久さんは前作で誘拐されたし、雪乃さんもさっき犯人に拉致されたし、なにしろ主役の青島君が前作で、既に一回死にかけてるからだ。
そして、「肩口を撃ち抜かれた」のなら別に死ななくてもおかしくはないからだ。
これってあんまりじゃないのか。自分たちが創ったキャラクターも物語も愛してなんかいないじゃないか。作った本人たちが愛してもいない、そんなキャラクターに生命なんか宿らない。そんな物語に魂なんかこもらない。そんなもの、愛せるわけがないじゃないか。
何がひどいって、これがいちばんひどかった。あなた方がやっていることは「兵隊が欠けたら補充すればいい」と言う沖田管理官と、どこがどうちがうのだろう?>作り手
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