[コメント] 猟奇的な彼女(2001/韓国)
映画を見終った人むけのレビューです。
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ちなみに、この映画の英語のタイトルは「My Sassy Girl」。これはまぁ意味としては正確に捉えていると思う。しかし私がこの映画の邦題を好きになった理由の1つに、日本語の「彼女」という言葉には多様性があり、だからこそタイトルからではこの2人がどんな関係と名付けられるのか最後になるまで分からない、そんな含みを持ったタイトルだと思ったからだ。
それなのに、ひとたび英語に訳されてしまうと「My」になってしまうのね、とちょっと残念だった。私の考えすぎだったのかしら。「A Sassy Girl」がよかったなぁ。 どちらにしても、韓国語が全く分からない私は、邦題がいいとか英訳されたタイトルがよくないとかここで言ったって、結局それは韓国語のタイトルが一番「正しい」んだけど。
「彼女」という単語だけじゃなく、「猟奇的な」という単語もいいと思う。それが韓国語で何て言うのかは分からないが、多分他にも色々と訳しようがあっただろうに、あえて「猟奇的」という単語を選んだセンスを高く評価せずにはいられない。
タイトルの話ばっかするのもナンなので、ちょっとだけ内容について。
「彼女に殴られたら、痛くなくても痛いフリをして、痛くても痛くないフリをしてあげてください」
このセリフ!!本当に好き!!そう簡単には思いつかない、男の「思いやり」がよくよく表現されている。 日ごろ、アメリカ映画ばかり観ている私には、このセリフはとても新鮮だったし、そういう意味ではアメリカがいかに女性の地位に関して先進的だとしても、彼らがこのような発想をすることはなさそうだ。なぜなら、アメリカ社会における「女性への優しさ」とは、こういう類のものではないからだ。
このセリフに含まれているのは「男女平等」という陳腐な幻想を超えた、女性への真の、そして現実的な優しさなのかもしれない。
いやはや、今後の韓国は侮れないぞ。
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