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[コメント] キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン(2002/米)

人は人の何を信じるのか。それは、その人の持つエネルギー。制服には、説得力はあるけど、誰が来ても馴染むものではない。彼が信じ続けてきたもの。それは、青春期に抱えた誰も知ることのない想い。作中、彼を責めることは一度もできなかった。
starchild

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







たしかに、映画として脚本・映像・その表情は作られたものかもしれない。しかし、彼の嘘は一つとして僕には憎むことも責めることもできなかった。特に、父親に自らをも励ますように送り続けた手紙と、その対話は、嘘ではなく、愛そのものだった。

対照的なFBI捜査官にも、同じ心の闇はあり、だからこそ捜し当てられた心裏。クリスマス・イブの夜に「誰も話す相手がいないのだろう」その一言は、強く突き刺さった。嘘ではなく、真実であったからだ。

そんな彼を必要としてくれる、一人の看護婦を救いたいという想い。一見、法律家に成りすますためにも映るがどうだろう・・・きっと、彼は愛を求めていたに違いない。

自分の支えであり、誇りであった父の死。そこから彼は何を学んだのだろう。家族の絆を守り通そうとした父と、結局は背を向けてしまった母。母親を責めることはできないが、彼が失ったものはいつもそこにあった。

トム・ハンクス演ずるFBI捜査官カール。物語の途中から、彼の眼差しは父親のように映っていた。その彼もまた、離婚によって愛娘と離れて暮らす、一つの愛を失った男だった。

その二人が、追う者、追われる者。その二人は、角度は違えど、同じ傷を負う者。互いに、責めることなどできない。お互いにできたことは、ただ、捕まえること。catch me if you can…ある共通項をもつ、二人の間に起こった真実

嘘のような物語に、終幕まえ、真実が降り注ぐ

レオナルド・ディカプリオと父ちゃん(クリストファー・ウォーケン)とトム・ハンクス。最高に素敵だったな。久し振りにありがとう。

ちょっと親父に会いたくなったな。あと、お袋にも……

+俺の大好きなスティーブン・スピルバーグ監督おかえり!

(評価:★5)

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