[コメント] 喜劇 女は男のふるさとヨ(1971/日)
新宿芸能社第1作のショーケースで、奇態な設定自体を除けば平凡。群像が混線する瞬間に恵まれず単線的に見える。見処は奇怪な緑魔子。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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封切り時の最大の驚きは、森繁がポルノに出るのか、だっただろう。倍賞美津子と河原崎長一郎のバスに乗っての旅回りは、このふたり(特に河原崎)ならこうなるだろう、という以上のものはなく、笠智衆の『街の灯』のエチュードに過ぎない。ストリップ小屋の控室の混乱の断片(セーラー服の双子がいたりする)だけが唯一森崎らしさがあった。雨中のNHK終了時の「君が代」が劇伴になるシーンは異様で、ふたりの別れを予感させているのだろう。
凄いのは芸能者にやって来る緑魔子で、ノンメイクで登場し、金がないので片目だけ二重に整形する(そして伴淳と結婚する)。この「ねじ式」好みな一連の造形は何なのだろう。原作通りなのだろうか。森崎の趣味趣向とは別物に見えるが、こんな可能性もあったのかとは思わせられる。ベストショットは冒頭の線路へ降りる半円形になった階段のロケで、南新宿の失われた光景なんだろう、とても風情があった。
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