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[コメント] 至福のとき(2001/中国)

至福と言うのが思い出の中だけに宿るのだとすれば、 至福は今その時、あの過去の時を思い出している瞬間になるのかも知れない。
あき♪

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







失明して以来、親にも捨てられ不憫な生活を強いられて来た主人公。

彼女の望んでいたモノは大きな幸福では無い、 現状とは違う未来へ繋がる何か、言ってみればほんの少しの安心出来るぬくもり であったと思う。

その意味で幸せのありかは、 遠い思い出の中、過去に過ごした人達との触れ合いの中に あるのだとしたら、彼女は幸福であったのかも知れない。

ラスト、彼女が歩いて行く道にカツカツと杖が地面を叩く音が残る。 せつないけれども確実に一歩ずつ進んで行く歩みの響きが。

とてもせつないが、とても力強い響きであるとも思う。

後、ちょっと思ったのは、この映画には、 あのオッサンと少女との親子的な既視感みたいなのが、 過去にいた実の父親との思い出を通したものとして出てこない。

ここの辺はこの監督の優しさであるとも思う。

ちょっとオマケの4つ星。

(評価:★4)

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