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[コメント] 至福のとき(2001/中国)

積極的に貶す点はないが、手放しでほめる点もなく印象が薄い。しあわせの三部作というふれ込みから、前ニ作のような手放しの感動を求めて肩透かしをくらった。
よだか

今回のチャン・イーモウは優れた映像作家という側面が影を潜め、叙情的な音楽で気分をいたずらに煽るわけでもなく、ドラマティックなエピソードも用いない。『初恋のきた道』や『あの子を探して』などと比べるとかなり表現を抑えた印象を受ける。

そのぶん、チャオを中心とした台詞のかけ合いによる喜劇的要素がメインになっているが、舞台劇のようなオーバーな演技にとまどい、作品世界に入りこめないままだった(喜劇俳優たちの訛りが可笑しいらしいがそんなの中国ネイティブでないとわからない)。薄幸の美少女が利己的な嘘のなかに幸せを感じるという皮肉や、どこか居心地の悪いラストの着地は狙ってやっているのだろうけど、これといった山場がないせいか、なにか唐突で余韻も残らない。あと、ヒロインドン・ジエのロリコンチックな下着姿を見せすぎ。意図がわからない。

(評価:★3)

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