[コメント] フレディVSジェイソン(2003/米)
映画を見終った人むけのレビューです。
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主人公ローリはレフェリーですね。ちょっとジェイソンに肩入れ気味なので公正さは欠きますが。
プロレスにおいて各々の団体のトップ同士の試合が組まれる場合、団体はいきなりカードの発表をすることはありません。ではまず何をするのか。仕掛けるんです、観客に対して。両団体エース2人の出会い、確執、抗争を作り上げ仕掛けることで、2人の一騎討ちまでの道のりを淀みなく流れさせていくんです。観客の期待が極限に高まるまで、じっくりと時間をかけながらね。
今作の前半がまさにそれ。なぜフレディがジェイソンを蘇らせなくてはならなかったのか。なぜ共闘が対立へと向かわねばならなかったのか。その辺りをじっくり描くことで、観客の対決への期待を煽り、かつ違和感なく物語へと没入させてくれたわけですよ。フレディのマイクアピールも冴え渡りますよ。まぁジェイソンのことを知ってる警官が突然いたりする多少のご都合主義は目をつぶってください。
そしてお膳立てが整ったところでいよいよ待ちに待った試合開始のゴング! 両団体の興行収入のこともあり、まずはそれぞれのリングで1試合ずつシングルマッチが組まれます。そしてプロレスの場合、こういう時に1勝1敗にもつれ込むことが実に多い! 通常「行って来い」と呼ばれますが、こうなることで両団体も傷付かず、ファンも「やはり勝負は時の運だな」と納得させられるわけですよ。
実際にフレディのリングではフレディ有利、そしてジェイソンのリングではジェイソン有利で試合は進みます。その時点での勝敗は明らかなのですが、車の事故や観客(若者)の乱入等で決着は未だ不透明。そして遂に最終決戦、クリスタルレイク桟橋特設リングで雌雄を決するに至るわけです。
しかも試合は真っ向からのガチンコ肉弾戦。ボンベロケットなどの凶器も登場しますが、基本はがっぷり手四つの流血ファイトですよ。試合後半ではリングに火が付けられ、デスマッチは更に加速! 大仁田厚志もかくやと思わせる壮絶な試合展開です。そして遂に互いが相手のフィニッシュホールド(鉈とカギ爪)を用いることで両者ノックダウン! リング爆破によるレフェリ−ストップでその幕を閉じたわけです。
それにしてもこのフィニッシュは素晴らしいなぁ。お互い悪の最強を名乗る以上、人の武器なんかで倒されるわけにはいかないんですよ。最強の自分を倒せるのは、その自分の武器でないとダメなんです。選手に対する美しい敬意を感じますよ。素晴らしい試合だったなぁ。再戦が組まれたらまた見に行こう。次はどこでやるのかな。後楽園ホールかな。
ちなみに僕はどっちかというとジェイソン応援派。『エルム街の悪夢』もしっかり観てましたけど、やはり日本人って喋り過ぎるキャラに感情移入しづらいんですよね。ついつい「寡黙な殺人職人」ジェイソンに肩入れしちゃう。男は黙って人殺す。寡黙な男って信頼できる気がするし。
そうやって考えると、ジェイソン登場時のあのラウドロックも「入場テーマ」だったんだろうなぁ。フレディはあの数え歌か。入場テーマ対決はジェイソンの勝ちですね。
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