答えは「否」です。私が観た印象としては「真正の詐欺映画」というより、「推理映画風のファミリー映画」という作品です。

正直いって、この映画に仕掛けられたトリックに騙される人はそんなにいないでしょう。フランクがロイに対して仕掛ける詐欺の描かれ方、アンジェラのお母さんを一度も登場させないこと、ラストシーンのほのぼのした表現の仕方からいっても、これは人間と人間の絆を中心にして描いた作品だと思います。なるべく「詐欺映画」として観ない方がこの作品は楽しめます。

　しかし、最後にフランクに全財産を持ち逃げされたロイですけど、詐欺稼業から抜けだして、安住の生活を手に入れるには安い足抜け代でしたね。あのラストシーン、私は好感を持って受け入れられました。