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[コメント] 天使の牙 B.T.A.(2003/日)

原作は未読だが劇場公開作品と知り衝撃。DVDかTVスペシャルレベルの出来映え。スターキャストだし、役者陣は個々のキャラクターを好演しているものの根本的に脚本が異様にチープ。リアルなハードボイルドに徹しているかと思いきや中途半端な近未来要素も用い、しかもそれが、こなれていなかったり…。不必要なフィルター多様の暗い映像もセンスゼロ。
TOBBY

一言で言うと漫画の世界。脳移植で生きて居ると言う設定を何とか我慢しても整形だとか入れ替わってるだとか、強引な設定が後半に連打され、脚本家の頭の悪さにウンザリ。 台詞も異様にチープでベッドシーンでの荻原の「入口の花びらが迎え入れてくれている」という台詞に大爆笑。 ハードボイルドかと思いきや中途半端な大沢たかおの"失った彼女への愛の思い"が唐突に後半に描かれ、それも思い切り安っぽく大沢佐田のその場面で言わされている台詞には鳥肌が立つ。

前述したが、思わせぶりにフィルターを掛けたり、無意味に陰影で描く映像が本気で安っぽく、センスをまるで感じられず…70年代のリアルな映像で描かれていた、例えば「ジャッカルの日」とか松田優作の映画なんかみたいに出来んのか!と憤慨。

ヒロインを演じた佐田真由美はミスティックでスタイルも良く、謎めいたヒロイ像を奮闘しているが、やはり肌の露出が無いのは不自然であった。 この世界観であるなら、例えば萩原とのベッドシーンでは、胸くらいは出さないと、かえって頑に不自然に思え…所属事務所の問題とかが頭を過ってしまった。最初からヌードがNGなら、仕事を選べ!もしくは監督は「玄海つれづれ節」の八代亜紀の様に、すげ替えでもヌードは挿入すべきであった。

異様な存在感の萩原健一と、主人公の"弱さ"を自然に醸す大沢たかおも健闘。 西村雅彦佐野史郎が芸風がかぶり、役者としても殺し合った印象は否めない。演技力の問題ではなくキャスティングの問題だが…。豊原功補が役得だが光っていた。

ハードボイルドでヒロインが活躍するという基本設定は深く評価したいが、この脚本や演出を観る限り、ハリウッドにはまだまだ及ばないなぁと痛切に感じた。

(評価:★2)

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