[コメント] 阿修羅のごとく(2003/日)
少し過剰で漫画的な演技に日本映画を感じゲンナリしたが、延々とそれが続く内にその奥のドラマに涙させられた。やはり日本映画だ。3.7点。
世代というものに唸らせられた。
少し極端な深津と中村の演技は作品をおとしめる危険を孕んでいたが、4姉妹の使い分けと作品全体のバランスから押し切った森田の意図を許そう。
黒木も例によって神経質な演技をまたも展開し苦笑いを呼ばせたものの、前2人の喜劇調のお蔭で巧い処に落ち着いている。相手の夫がこれまた現代の船越たる小林というのが泣かせる。
大竹・桃井も嘗てのイカレ演技の代表格だった筈なのに、年下の面々の演技の中で寧ろ落ち着き振りを見せているのに、ぼくは大層驚かされた。
仲代も大仰で舞台的な演技をする役者の代表格だが、若者の軽めの演技とのバランスは良い。八千草は流石。感嘆しつつ、向田邦子の「母親」を演じられる女優は少なくなりつつあるのかも知れない、と不安になった。
これらの中で深田の落着き振りが奇妙。嘗てはケバ目系の顔立ちで現代アイドルの代表だった彼女が、あのケバイ格好にも関わらず、4姉妹の中で一番「普通」で目立たなかった事に、感心しつつも不思議な感じが残った。・・・
配役の妙で向田邦子の原作を乗り切った映画。
(評価:
)投票
このコメントを気に入った人達 (3 人) | [*] [*] [*] |
コメンテータ(コメントを公開している登録ユーザ)は他の人のコメントに投票ができます。なお、自分のものには投票できません。