旧来の勝新太郎の座頭市に思い入れがある人ほど、この作品には抵抗があるだろう。特に、ラストにくるタップダンスは賛否両論沸き起こっても致し方ない。自分としてはそれ以前のリズミカルな鍬や大工仕事が伏線となっていたため、自然にそのシーンに移行した感じがして妙な違和感がないと感じた。

　「世間では、妙にありがたがっている部分があるけど、若さって俺はたいした特典ではないと思う。年は関係なくて、無茶を出来るスピリッツを持っているかが問題。 」・・・たけし語録より

　時代を切り開いて（斬り拓いて）いくには、こういった北野監督の様な破壊者が居なくてはならない。今の日本映画界には異端児として確固たる地位を築いていると思う。歳を重ねると保守的になるのが人間だけど、この”無茶”が出来る北野監督はまだまだ気持ちの上では若さに満ちあふれている。そんな北野監督を見習いたいものだ。

　少しでもバランスを崩すと、それはそれで醜い作品に仕上がったであろう。しかし、シリアスと脱力コント、リアルな殺陣と非リアルな金髪・碧眼とタップダンス。こういったコントラストが絶妙であったと言える。

　特に勧善懲悪ゆえ（賭博場の殺戮はやりすぎですが）、爽快感ある殺陣は最高。”まぶた”にしかと焼き付いています。

　「ニュースステーション」の後を継いだ「報道ステーション」で古舘伊知郎さんは、久米宏さんの二番煎じに過ぎずオリジナリティに欠ける。収録中の飲酒で終わった久米さんと比較しても、冒頭から誤る古館さんは保守的と言わずして何と言おう。

　そういうワケでいつまでも北野監督には無茶を出来るスピリッツを持っていて欲しいと切に願う。